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ケバブはどこの料理?アラブ人が解説する本物のケバブ

今では日本ですっかりお馴染みになった「ケバブ」!
勿論この料理のオリジンはご存じの通りトルコです。
イベントやお祭りでもどこでもだいたい外国人がこの「ケバブ」を販売してますよね。

そんな「ケバブ」に私たちアラブ人からするとちょっと違和感があったりします。
恐らくアラブ世界に住んだことがある日本人も同様に感じると思います。
一言で言えば「違うんだよな!」だと思います。

そこで、今日はそんな「ケバブ」についてお話ししたいと思います。

ケバブのルーツとは?

「ケバブ」はトルコ語ですがアラビア語では「カバーブ」と言います。
この「カバーブ」という言い方はまだまだ馴染みがないかもしれないですね。
お馴染みの「ケバブ」と聞くとみなさんは「サンドイッチ」を連想すると思います。
しかし、それはちょっと違うんですね。

「ケバブ」はトルコ語で「グリル肉」という意味です。
これはアラビア語の「カバーブ」も一緒で「グリル肉」になります。
現地に行って「ケバブ」もしくは「カバーブ」ひとつと注文すると「うちは、カバーブはないよ」って言われちゃうと思います。そんなケバブがサンドイッチの形として流行したのには背景があります。

ケバブはシシ・カバーブが原点

「ケバブ」の原点はシシ・カバーブです。
これは中央アジアの伝統料理である肉の串焼きのことを指します。
この串焼きは羊肉を使うのが一般的で、お肉を串にさして炭火焼にしたのが始まりでした。
それをオスマン・トルコ時代のイスケンデルという料理人がカバーブのスライスと一緒に
パンや野菜を添えたプレート「カバーブプレート」を考案しました。

その時に肉を何枚も重ねて串にさし焼き上げたのが「トネールケバブ」の始まりと言われてます。
(皆さんが日本のケバブ屋さんで見る大きな肉の塊のやつです。)
ここで初めてお肉を多重に串刺しにして回転させ焼くスタイルが始まりました。
当初は水平回転で焼き上げていましたが、それがいつしか垂直回転に変わって今のスタイルになりました。


この焼肉スタイルがアラビア世界に入ってきたのが1900年前後と言われています。
シリアの古都ダマスカス(ディマシュク)のお店アルースィッディークが最初のカバーブプレートを提供したと言われています。
その後この回転串焼肉のスライスプレートが大人気となりました。

ケバブサンドの流行

そんなカバーブプレート!
1940年代ごろからこのスライス肉をアラブのパンで挟んでサンドイッチのように提供するのが巷で出だしました。これが、皆さんのよく知るケバブサンドです。
その名も「シャワルマ」!これもトルコ語の「回る」を意味する言葉です。

ただトルコの回転焼肉こと「ドネールケバーブ」に対してアラブの回転焼肉サンドにバージョンアップしたので、おそらく区別するために別の回すという言葉「チェヴェルメ」が転じて「シャワルマ」になったようです。

この「シャワルマ(ケバブサンド)」が中東で大人気になります。
まさに中東発祥のファーストフードの看板メニューになりました。

日本人がまだ知らないアラビアのケバブ

「ケバブ(カバーブ)」を知らない日本人はもういないくらいこのケバブは普及していますが、
本場の食べ方やスタイルはまだ全然伝わっていないなといつも感じてます。というか違和感に近い感じです。
そこで本場のケバブこと正しくは「シャワルマ」についてお話ししましょう!

シャワルマは2種類あります。
・「ラハメ」(羊肉)
・「ダジャージ」(鶏肉)

入れる具材も違いがあり、
ラハメはイタリアンパセリ+トマト+羊肉にタヒーネソース(ゴマソース)
ダジャージはピクルス+鶏肉ににんにくソース

パンは現在、老舗以外はピタパンを使いません。
ラップのように薄いパンでクルクルっと巻いて提供します。

もしかしたら、この「クルクル」とサンドイッチを巻いて作るので「ドネール」ではなく
「シャワルマ」なのかもしれないですね!

つまり回転焼肉の「ドネール」に対してクルクル巻肉の「シャワルマ」
ということかもしれないってことです!気づいちゃった!
さて、そんなシャワルマは更にバージョンアップして
【シャワルマ単品】
【シャワルマセット】(現地ではシャワルマアラビ、もしくはワジベ・ト・シャワルマ)
といったスタイルで現地では販売されています。
単品はラップして紙で「クルクル」っと巻く。(アーディ、スーパー、ダブルの3サイズ)
セットは弁当箱にシャワルマをカットしたもの+ポテト+ピクルス+サラダが付いてきます。

勿論チェーン店から老舗、個人店といろんなお店で売ってるシャワルマ!
ヨルダンには人気店からマニア店までひしめく「ジョアニーンストリート」腹ペコストリートがあります。
もし行くことがあったら是非いろんなスタイルのシャワルマを堪能してみてはいかがでしょうか。

>>>アラブのファーストフード「ファラフェル」の記事はこちらから

最後にちょっとだけ
muradoのカバーブサンドを紹介します。

MURADOでは、シャワルマではなくて「カバーブサンド」を販売してます。
これも中東に昔からあるサンドイッチのスタイルでスライス肉ではなく、
ミンチ肉をスパイシングして焼く串肉をサラダと一緒にこれまたアラブのパン「カエク」で挟んだものです。
これもアラブの食文化のひとつでとても美味しいです。

田園調布にあるスーパー「Den-en」で
毎週木曜日の11時~18時の間で販売してますので是非食べに来てみてください!
アラブの世界を「食」から感じることができますよ。

<ナショナル田園>



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